令和5年4月1日から令和5年6月2日までの期間に実施しました「税制アンケート」には、727名の皆様からご回答をいただきました。ご協力に厚くお礼申し上げます。
皆様からいただいたご意見は、令和6年度税制改正要望書の取りまとめに当たっての参考とさせていただきます。
「税制アンケート」の集計結果は、次のとおりです。
質問1
あなたのご職業は以下のうち、どれに当てはまりますか。
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
会社経営者 | 416 | 57.2% |
個人事業者 | 138 | 19.0% |
会社員 | 134 | 18.4% |
その他 | 24 | 3.3% |
無回答 | 15 | 2.1% |
合計 | 727 | 100.0% |
質問2
あなたの業種は以下のうち、どれに当てはまりますか。
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
建設業 | 73 | 10.0% |
製造業 | 225 | 30.9% |
運輸業 | 33 | 4.5% |
卸売業 | 85 | 11.7% |
小売業 | 66 | 9.1% |
宿泊・飲食サービス業 | 33 | 4.5% |
医療・福祉 | 17 | 2.3% |
その他 | 175 | 2.1% |
無回答 | 20 | 2.8% |
合計 | 727 | 100.0% |
【税制改正要望】
質問3
昨年12月に令和5年度税制改正大綱が公表されましたが、税制改正大綱や現在、国や政府で検討されている税制の中で、あなたがもっとも重点的に対応してほしいと考えるのはどのようなことですか。(「インボイス制度」「防衛力強化」関連につきましては、後ほど記載しておりますので、この2点以外でお願いいたします。)
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
所得税 | 163 | 21.2% |
法人税 | 139 | 18.1% |
相続税・贈与税 | 172 | 22.4% |
間接税 | 64 | 8.3% |
地方税 | 20 | 2.6% |
その他 | 71 | 9.2% |
無回答 | 139 | 18.1% |
合計 | 768 | 100.0% |
質問4・質問5
(質問3について)それはどのような理由からですか。このように税制改正してほしい等のご要望があれば記載してください。
主な回答
【相続税・贈与税】
- 事業承継に関する相続税・贈与税について軽減を求める。(自社株を相続・贈与するための税額の軽減、会社に貸与している個人所有の土地を相続するための税額の軽減等。47人の回答者から意見あり。)
【所得税】
- 所得税増税の保留(インフレ、賃上げが目標達成できるまで増税はなしにしてほしい。所得格差が拡大しており、所得が低い立場に対する減税措置を強化して欲しい。消費を拡大し経済成長を達成するため。等)
- 富裕層に対する税率が低い(1億円の壁)ので、資産課税を導入すべき。
- 103万の壁がネックで労働時間を調整すると生産性が低下し、経営者の負担も増えるので無くして欲しい。(時給を上げても働ける日数が減るだけ。)
- NISA等の更なる拡充(貯蓄から投資の流れを拡大させるために更なる非課税枠の拡大を求める等)
- 所得税を算定する上で消費税額を計算する必要があるため、所得税の申告期限(3月15日)を消費税の申告期限(3月31日)に揃えるべき。
【法人税】
- 法人税増税の保留(中小企業者等の年800万円以下の所得金額に適用される法人税の軽減税率の特例を延長して欲しい、国際競争力の維持のため法人税は増税すべきでない、コロナで厳しい等)
【間接税】
- 軽減税率の廃止(会計事務が煩雑、軽減税率対象品目の選定に偏りがある(新聞よりも電気・ガス・水道等の方が生活必需ではないか)等の理由から軽減税率の廃止を求める等)
【地方税】
- 中小企業は先が見通しづらい。所得税のように、地方税がその月の給与に反映され年末調整のように精算されるシステムにして欲しい。
【その他】
- 少子化対策(N分のN乗方式の採用。所得にかかわらず、高校までの授業料の無償化。年少扶養控除の復活。少子化対策に限らず、給付金で給付するのは無駄が多い。税額控除とした方が効率的。給付方式とするのは選挙対策(選挙対策にもならないと思うが。)と親密な企業にお金を落とすことの他にどのような理由があるのか等)
など
以降、ご参考までに伺いました。
【インボイス制度】
令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除の方式として、適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されます。
質問6
あなたは登録申請書を提出されましたか。
区分 | 提出した(する予定) | 提出していない | 無回答 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
会社経営者 | 人数 | 386 | 18 | 12 | 416 |
割合 | 92.8% | 4.3% | 2.9% | 100.0% | |
個人事業者 | 人数 | 89 | 44 | 5 | 138 |
割合 | 64.5% | 31.9% | 3.6% | 100.0% | |
その他 | 人数 | 134 | 26 | 13 | 173 |
割合 | 77.5% | 15.0% | 7.5% | 100.0% | |
合計 | 人数 | 609 | 88 | 30 | 727 |
割合 | 83.8% | 12.1% | 4.1% | 100.0% |
質問7
質問6で「提出していない」と回答された方にお聞きします。提出されていない理由は以下のどちらですか。
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
免税事業者で留まる | 39 | 44.3% |
経過措置があり保留 | 22 | 25.0% |
制度がわからない | 18 | 20.5% |
無回答 | 9 | 10.2% |
合計 | 88 | 100.0% |
質問8
課税事業者の方にお聞きします。
インボイス制度導入後、免税事業者との取引においてどのような対応を考えていますか。(複数選択可)
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
これまでどおり | 301 | 38.9% |
経過措置終了後は未定 | 145 | 18.7% |
ならなければ取引を行わない | 31 | 4.0% |
取引価格の変更を検討 | 60 | 7.8% |
課税事業者になるよう提案 | 127 | 16.4% |
未定 | 70 | 9.0% |
無回答 | 40 | 5.2% |
合計 | 774 | 100.0% |
質問9
令和5年度税制改正大綱では、インボイス制度について、小規模事業者に対し「3年間、納税額を売上税額の2割に軽減する。」「6年間、1万円未満の課税仕入れについて帳簿のみで仕入税額控除を可能とする。」などの負担軽減措置を講じることが公表されました。これについてどのようにお考えですか。
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
評価できる | 282 | 38.8% |
評価できない | 159 | 21.9% |
わからない | 240 | 33.0% |
無回答 | 46 | 6.3% |
合計 | 727 | 100.0% |
質問10
質問9で「評価できない」と回答された方にお聞きします。
どのような点を評価できないとお考えですか。また、どのような負担軽減策を講じるべきとお考えですか。
主な回答
- 全体の何割にも満たない小規模事業者に対して対策を講じても手続きが煩雑になりすぎる。経過措置は不要。制度がより複雑となる印象。
- 問題を先送りしているだけではないか。6年経過後が問題である。
- 個人事業者や零細企業、中小企業にこの大変な時期に負担を負わせるのは評価できない。
- 消費者(お客さま)から預かった消費税を納めないのは消費者が納得するとは思えない。(預り金であり、税として納めるべき。)
- 取引先の理解が進まず、当方から説明することも多い。
など
【防衛力強化関連】
質問11
防衛費増額の財源確保のため、政府では現在、税制面で以下の措置を講じる(令和6年以降実施予定)ことなどを検討していますが、これについてどのようにお考えですか。
- 法人税法人税額が500万円を超える部分について、4~4.5%の付加税を課す
- 所得税所得税額の1%の付加税を課すとともに、復興特別所得税は1%引き下げて適用期限を延長する
- たばこ税1本あたり3円相当引き上げる
区分 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
賛成 | 118 | 16.2% |
概ね賛成 | 309 | 42.5% |
反対 | 247 | 34.0% |
無回答 | 53 | 7.3% |
合計 | 727 | 100.0% |
質問12
質問11で「反対」と回答された方にお聞きします。あなたはどのように対応すべきとお考えですか。
主な回答
- 「防衛税として」徴収すればよい。「防衛の為に納税している」という実感を持てるようにした方がよいのではないか。
- 直接税を細かく直すのではなく、消費税率を引きあげればよい。国民すべてが受益者であるので消費税が望ましい。
- 維新が大阪でやっているように、もっと身を切る改革を真剣にするべき。歳出削減や議員定数の削減等、まだまだすることがたくさんあるはず。支出を抑えたうえで足りない分は増税でやむを得ない。
- 賛成だが、たばこ税に関しては度重なる値上げによって、売上減となり税収が減っていると聞いた。財源となりうるのか。
- 防衛費を倍額にしても中国に比べて3分の1である。防衛費を増額する意味がどれくらいあるのか。極論だが、防衛費を増額するより核兵器を持つ方が効率的なのではないか。
- 食料、エネルギー等国家安全保障全体像が示されない中、軍備費のみ他国に言われるまま増強するのは納得しがたい。
- 概ね賛成だが、増額した防衛費は米国から言い値で兵器を購入するのではなく、国内企業を活用し、育てて欲しい。
など
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