会長訪問

失敗を恐れずに挑戦を積み重ねる
物事を“不思議がる”姿勢が新しいものを生む

登山の魅力に開眼

会長の趣味を教えてください。

　山登りです。厄年を迎えた42歳の夏に「厄払いのために日本一高い山に登ろう」と、登山好きの友人に誘われて富士山に登ったのがきっかけです。それまでゴルフをはじめ、いろいろなスポーツをしてきましたが、登山はしたことがなく、食わず嫌いもよくないだろうと連れて行ってもらうことにしたのです。迷惑をかけてはいけないと、自宅の周辺を走るなどして身体を鍛えてから臨みました。
　登ってみると、そこには初めて見る景色が広がっていたのです。夜空の星はとても大きく、ほうきで取れるのではないかと思えるほどでした。下界には、ダイヤモンドの粒をばらまいたように灯りが広がっています。夜が明けると、アルプスの山々を見渡すことができ、雄大な景観に感動してしまいました。それ以来やみつきになり、毎年夏山シーズンになると、白山や北アルプスの山に登っています。
　苦しい思いをして頂上を極めると、それは清々しいものです。日ごろの細かい事柄も忘れてしまうので、登山はストレス解消になっていると思います。それに、夏山登山を目標として普段から休日のたびに近くの三上山に登っているので、体力増進につながっているようです。

何事も挑戦から始まる

会長のモットーは何ですか。

　「失敗を恐れずに」がモットーです。クレーム処理、製品開発、仕事でも何でも、まず自分から動き内容を理解することが大切です。失敗も数多くありますが、次はこうしよう、どうしようと考案し、二度と失敗しまいという思いを抱きながら、一つずつ積み上げていくことが結果的に成功につながると思います。また、商品化を考えるとき、社員には、いろいろなアイデアや失敗例を思い出しながら、何故そうなるのか、何が問題なのか、「物事を不思議に思い」、問題点を一つずつ解決しながら進めていくようにいつも言っています。そうすることで、お客様に喜んでいただける、利用しやすい製品づくりができますから。「失敗は成功のもと」にしてほしいと思っています。
　当社の主力製品はコンクリートの基礎ブロックです。即時脱型の技術を機械メーカーさんとともに共同開発して以来、量販体制をとっています。この製法で作ったコンクリートは表面が粗く従来のものと外見が異なるため、強度も耐久性も優れているにも関わらず、当初はなかなか得意先に受け入れてもらうことができませんでした。けれどもおかげさまで、今では小さな会社ながらも広範囲で商売をさせていただいています。
　また、リサイクルも業界に先駆けて取り組み、下水汚泥溶融スラグを利用した基礎ブロックを建設資材として扱っていただいています。これも最初は受け入れてもらうことができず、いったんは生産を打ち切ったほどでした。リサイクルの機運が高まってからようやく注目されるようになり、今では年間約１０００トンのスラグを基礎ブロックの骨材として使っています。
　そのほか、災害時にかまどとして炊き出しに利用できるベンチ「炊き出し釜戸ベンチ」があります。これは、日ごろはベンチとして用い、いざというときには座面を風よけとしてかまどに利用できるものです。阪神・淡路大震災の際に、防災用品を倉庫の中に置いていたために鍵が見つからず、倉庫の倒壊により用具が出せなかったという話を聞いて、考案しました。日ごろから商品化できる力を蓄えておくことも必要ですね。

では最後に、納税協会の会長としての課題と抱負をお願いします。

　水口納税協会には、甲賀郡の名残があります。市町村合併により、甲賀市、湖南市と二つの市になりましたが、市町にあった支部、湖南、水口、甲南、甲賀、信楽、土山の6支部が今でも健在し、支部ごとに活発に事業を展開していただいています。
　例えば、地域のお祭りや行事があれば、支部ごとに会場で税のＰＲをさせていただき、また確定申告の会場開設も支部ごとに行い、地元の方々に来場していただきやすいようにしています。こうした活動は、諸先輩の方々の積み重ねで続いているもので、皆様のおかげと思っています。
　そのほか、警察署との共催事業として、「電子申告推進と振り込め詐欺防止キャンペーン」を同時開催する企画などもございます。このように、水口納税協会は、会員の皆様のお力添えをいただきながら、多彩な事業活動、会員相互の親睦・勉強会の開催を通じて納税道義の高揚を図り、地域社会に根差した協会運営を行っています。
　今後も、会員増強を図りながら活発な活動を行ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日はありがとうございました。