会長訪問

皆とともに歩む姿勢を社名に込めて
丁寧なものづくりが喜びにつながる

美化活動を楽しむ

会長の趣味を教えてください。

　若いころはゴルフが好きでよく出かけましたが、今は庭の手入れをしていることが多いですね。家内も園芸が好きで、バラなどいろいろな植物を植えており、夫婦で楽しんでいます。
　また、家の周辺の道路の草抜きもしています。これは、もともと転勤した息子から犬を引き取ることになったのがきっかけです。最初は朝の出勤前に嫌々ながら散歩に連れていたのですが、「この犬は私の健康のために来てくれたのだ」と前向きに考えるようになると、散歩が楽しくなってきました。そのうち道に落ちている吸い殻やゴミが気になり、散歩の途中でゴミ拾いをするようになったのです。それがまた楽しくなり、できるだけきれいにしようと草抜きも続けています。
　早朝は散歩やジョギングをする人が多く、皆さんも気持ちよく過ごしてもらえたらと思っています。また、街頭の桜の樹が芽吹いてくる様子に春の訪れを感じるなど、自然に触れることができるのも楽しいものです。

リフレッシュする時間にもなっておられるのですね。

　それに、お風呂に入る時間も大切です。仕事柄ということもあり、お風呂が好きで、毎日必ず朝と晩の２回入っています。湯船に浸かりながら、夜は１日の出来事を振り返る時間に、朝はその日の予定を思い浮かべてインプットする時間にしています。湯船の中では「今日はあの人に会うからこんなことを話そう」というように、いろいろ考えが浮かんできます。リラックスするからでしょうね。こうして思い浮かんだことは、お風呂から上がってメモするようにしています。

手間と時間を惜しまずに

会長のモットーを教えてください。

　昭和３年、今の本社の場所に工場ができたときに打ち出された会社の方針が、品質第一主義とともに、近江商人の「三方よし」、つまり売り手、買い手、世間が満足できるよう皆とともに頑張っていこうというものでした。社名に付いている「共進社」という名称には、その願いが込められているのです。私はこれが好きで、こだわりを持って「共進社」という名称を受け継いできました。企業は自分だけが成功しても意味がありません。仕入先やお客様に感謝され、愛される企業でなくてはと思っています。よく「製品の人格化」という言葉を使うのですが、営業などの部署も含め、そういう気持ちを込めてものづくりにあたらなくてはと、社員にも伝えています。
　仕入先から買ってやるのではなく、大事な原料を売っていただくのです。その原料を大事に使って商品にし、お客様に使っていただく。そういう気持ちが大事だと思っています。もちろん、企業ですから利益を出していかなくてはなりません。そのバランスが大事だと思います。
　当社では、昔ながらの「釜だき製法」にこだわり、手間と時間をかけて石鹸を作っています。当社程度の規模で昔ながらの作り方をしているのは、世界中でうちだけです。それだけに品質には自信がありますし、製法を継続していくのは大変なことであっても、喜びがあります。現在は、こうした気持ちを大切に、若い人たちに石鹸の良さを知っていただくための啓蒙活動に力を入れています。

では最後に、納税協会の会長としての課題と抱負をお願いします。

　城東エリアは、かつてたくさんあった工場の跡にマンションが建ち、地下鉄の路線も延び、人口が増えている地域です。当社は城東のこのエリアで、90年近く商売をさせていただいてきました。ですから、地域のためのお手伝いをさせていただきたいという思いを持って、納税協会にも携わっております。
　納税協会の大きな課題は、やはり会員数の確保です。会員減少の背景にはいろいろな要素があるでしょうが、まず会員であることのメリットを感じていただけなくてはと思います。会員の皆様に「入っていてよかった」と思っていただけるような、魅力ある会にできるよう尽力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

本日はありがとうございました。