誠実さを忘れずに
真面目に続けていれば必ず認めてもらえる

知己を広め自分を高める

会長の趣味を教えてください。

趣味といえるものはないのですが、ゴルフが好きで、以前はよく楽しみました。お付き合いを通して名門ゴルフ場なども経験でき、よい影響を受けることができたと思っています。同年代の得意先の方たちと夫人同伴で定期的に食事会を開いたことなども、よい思い出です。こうしたお付き合いの輪が広がり、仕事にもうまくつながっていったと思います。
また、ロータリークラブで得た交友関係も、貴重な財産になっています。人に勧められて地域のロータリークラブを設立したのをきっかけに、さまざまな業種の方と知り合うことができました。私は関東から婿として来たものですから、土地に馴染みたいという思いもあったのです。ロータリークラブでは、著名な企業人とも出会い、進取の気性に富む若いメンバーたちに受け入れてもらうことができました。これらの経験は、私にとって一生の財産といえるものです。

とてもお元気でいらっしゃいますが、何か健康のためにされていることはありますか。

特に何もしておりません。毎日必ず、午後からは製造の現場に立って社員と一緒に働いており、強いていえば、これが健康維持に役立っているのかもしれませんね。
現場を知ることは、中小企業の経営者にとって大事なことです。今も機械の調子は全部分かるんですよ。

信用を大切に守り続ける

会長の座右の銘は何ですか。

「誠実」です。激しい不況に遭った繊維業界の中で生き残ってこられたのも、真面目に商売をやってきたからだと思っています。
当社はもともと紡績の会社でした。泉南地域は紡績業で栄えましたが、繊維不況が厳しく、２６０社ほどあった会社も約40社にまで減ってしまったほどです。
義父が亡くなった後、紡績から綿花を原料とする衛生材料へと業態を切り替え、結果的に今につなげることができました。方向転換がうまくいったのは、義父が取引先と誠実に付き合う中で培ってきた、絶大な信用を引き継ぐことができたからです。
衛生材料への転換については採算の見通しも持っていましたが、やはり切り替えてからの10年間は苦労の連続でした。それでも、真面目に続けるうちに取引先から認めていただくことができました。これは義父が築いた信用のおかげだったと思います。

そうした体験が今にも生かされているのですね。

人に信用していただける会社に育てることができたと思います。
初めて衛生材料を取引していただいた会社の長老の方に、「利は元にある」という言葉の意味は、仕入先を大事にすることだと教えられ、今もこの言葉をモットーとしています。いくらお金を持っていても、自分が相手に気に入ってもらえなければ、材料を売ってもらえないかもしれません。突発的に何かあったときにも材料を調達できるかどうかは、日ごろの信用が大事なのです。
また、営業に出る前には、鏡に向かって自分の笑顔を見てから営業に出るように心がけています。これは新人の頃に教えられた商売の基本ですが、とても大切なことです。社員にも実行するように言い続けています。

では最後に、納税協会の会長としての課題と抱負をお願いします。

納税協会の役割は、納税意識を高めるための啓蒙・啓発にあります。会を維持し、啓蒙活動を行っていくためには、会員を増強し、活性化を図っていかなくてはなりません。これが一番の課題といえるでしょう。青年部の方々にも協力をいただきながら、組織の若返りを図っていきたいと思っています。
微力ではありますが、精いっぱい力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日はありがとうございました。